交通事故の後遺症

交通事故は日本全国で毎日起こっており、悔やまれることに後遺症が残ってしまう交通事故被害者の方がいらっしゃいます。
健康に気をつけ、日々平穏にて生活していたとしても、誠に残念なことに一方的な不慮の事故、追突事故、或いは酒酔い運転により巻き込まれる事故も多くあります。
交通事故被害者の方のために、これから想定され得る交通事故の後遺症にまつわる自己防衛と、ご自身の被害救済、交通事故の知識を蓄えていただく事を本サイトの趣旨としています。

 

交通事故の後遺症が残存すると、後遺障害等級が賠償額に直接影響を与えます。
もっとも、後遺障害等級認定のポイントは、一般に周知されておらず、交通事故被害の実態に適した後遺障害等級認定がなされていないことも往々にしてあります。

 

交通事故×後遺障害・後遺症手続センターでは、交通事故後遺障害等級の適正な認定手続き・異議申し立てにおいて、当事務所が行う過去の認定を参考にした医療調査付被害者請求によって後遺症の実態を明確にし、医療照会回答書、事実証明書類等を作成、後遺障害診断書の精査をして、被害者請求を行って参ります。併せて、医師に面談し、検査依頼、医証の作成など整えていきます。
後遺症の問題点の解決と目的達成に必要な現実的かつ的確な助言とサービスを提供いたします。
もし、現在の整形外科に不満がございましたら、当事務所の連携医療機関をご紹介することも可能です。

交通事故後遺障害認定の要件

交通事故における後遺障害認定の要件には大きく分けて下記4点の要件が挙げられます。

 

  • (1)整形外科への6ヶ月以上の通院がある
  • 後遺障害等級認定申請は、事故から6ヶ月経過後に申請することが一般的です。
    この治療期間が極端に短い場合は自賠責保険の調査事務所が後遺症の認定にあたり、治癒の見込みがあるといった理由等で不利に取り扱われる場合があります。

     
  • (2)4週間以上の通院中断がない
  • 4週間以上の通院中断は、どうしても外せない出張などの場合が該当します。一般的には、週2回以上の整形外科への通院が推奨されます。

     
  • (3)自覚症状を裏付ける画像所見があること
  • 自覚症状を裏付ける画像所見があることが求められます。レントゲン画像で骨の異常が見られるかどうかを確認します。
    もっとも、むち打ち症は、レントゲン画像での立証は困難であることから、通常MRI画像で立証を行います。
    MRIは主に筋肉、靭帯などの軟部組織の形態観察に優れています。また、X線写真でははっきりわからない骨折もMRIでわかることもあれば、その骨折が新しいものであるかどうかの診断も可能です。単にMRI画像を撮影するのではなく、ポイントを抑えた撮影が必要であり、それらを下記に記載します。

     
    • <MRIの解像度>
    • MRIの解像度は、従来は、0.5テスラを用いていましたが、現在は、1.5テスラが主力になってきています。最新式では、3.0テスラのMRIを使用している医療機関もあります。
      3.0テスラのMRIでは、鮮明に椎間板等を映し出すことが可能となります。
      0.5テスラと1.5テスラは、使い捨てカメラと高級一眼レフ程度の差がありますので、0.5テスラでは異常が確認できなくても、1.5テスラだと異常が確認できる場合があります。

       

      MRI撮影方法はT1強調画像とT2強調画像の2種類があります。
      T1強調画像は水分の強調を抑え、比較的脂肪を強調して撮影します。T1強調画像で椎間板の突出や血腫を含む液体などを確認します。
      T2強調画像は水分を白く強調して撮影します。T2強調画像で髄液、水、脳梗塞などを確認します。

       
    • <MRIを撮影する部位>
    • MRIを撮影する部位によって異常が発見できる場合とそうでない場合が決まってきます。
      むち打ち症において、問題となるのが、手足に痺れがある程度の神経根性のむち打ちが挙げられます。
      神経根症は、神経根が損傷することで引き起こされる障害であり、脊髄から椎間孔の出口までを神経根といいます。神経根は、脊髄に最も近い部分にあたります。

       

      圧迫されている神経が神経根であれば、通常、神経根の圧迫をMRIで確実に捉えるのは難しく、医師でも神経根の圧迫はMRIでは判別できないという見解が見られます。
      よって、患者自身の自覚症状をよく鑑み、神経根のどの部分に異常があると考えられるかをよく検討し、的確・適切なMRI撮影を行うことが重要となります。

     
  • (4)自覚症状を裏付ける神経学的所見があること
  • MRI画像に異常所見がなくても、神経学的所見に異常があれば、後遺障害等級14級認定の可能性は残されます。
    神経学的所見は、主に、神経の異常やその神経異常に伴う筋力低下などの神経学的テストを行い、どの部位に障害が存在するのかを判断した結果をいいます。
    神経学テストで、レントゲンやMRI、CTなどの撮影なしに抹消神経障害、脊髄損傷などの障害部位の確認が可能となります。

     
      【神経学的検査の種類】
    • <スパーリングテスト>
    • スパーリングテストは神経根障害を調べる神経学的テストです。患者の頭を傾けて下方に押しつけ、神経根の出口が狭まります。
      神経根に障害があれば、神経根の支配領域に、痺れ感・放散痛が生じることで症状の再現・増強を訴えます。
      痺れ感・放散痛を訴えた場合に+、異常がない場合に-と表示します。

       
    • <ジャクソンテスト>
    • ジャクソンテストは神経根障害を調べる神経学的テストです。患者の頸椎をやや伸展位にして前頭部に両手を置き、頸椎を下方に圧迫します。
      神経根に障害があれば、神経根の支配領域に、痺れ感・放散痛が生じることで症状の再現・増強を訴えます。
      痺れ感・放散痛を訴えた場合に+、異常がない場合に-と表示します。

       
    • <握力検査>
    • 握力検査は、左右の握力を見ることによって、頚椎神経に異常があるかを検査します。
      握力検査では、演技が可能であることから、参考程度に評価します。

       
    • <徒手筋力検査>
    • 徒手筋力検査は、筋力が低下しているかを検査します。
      筋力は原則、以下6段階評価されます。
      ・正常(グレード5)重力、最大抵抗に打ち勝ち身体の一部を関節可動域いっぱいに動かすことができる。
      ・良(グレード4)重力、最小限から中等度の抵抗に抗して動かすことができる。
      ・可(グレード3)重力のみに抗して動かせるが、少しでも抵抗を加えると、関節可動域いっぱいに動かすことができない。
      ・不可(グレード2)重力を除けば関節可動域いっぱいに動かすことができる。
      ・僅少(グレード1)全く動かすことはできないが、筋の収縮が視診・触診で認められる。
      ・(グレード0)視診及び触診において筋の収縮が認められない。

       
    • <筋萎縮検査>
    • 筋萎縮検査は筋肉の萎縮の有無及び程度を調べる検査です。
      筋萎縮検査は、左右の筋肉の状態を視診、触診あるいは周径を測って調べます。  

       
    • <腱反射テスト>
    • 腱反射テストは腱をゴムハンマーで叩き、筋に伸展刺激を与えたときに起こる、筋収縮を見ることにより、頸椎から上半身の筋肉へつながる神経や、胸・腰椎から下半身の筋肉へつながる神経が機能しているかを調べる検査です。
      腱反射の部位は、上腕二頭筋反射、上腕三頭筋反射、腕橈骨筋反射、アキレス腱反射を調べるのが一般的です。

       
    • <知覚検査>
    • 知覚検査は、触覚、痛覚、温度覚等の知覚を検査します。
      知覚検査は、参考程度に評価します。

       
    • <ホフマン反射>
    • ホフマン反射は、患者の中指末節を指で挟んで、親指で患者の中指の爪部を手掌側にはじき、親指が内転・屈曲するかを調べる検査です。
      陽性の場合は、脊髄損傷の可能性があります。

       
    • <トレムナー反射>
    • トレムナー反射は、中指の指先先端の腹を弾くことで、親指が内転・屈曲するかを調べる検査です。
      陽性の場合は、脊髄損傷の可能性があります。

       
    • <ワルテルベルク徴候>
    • ワルテルベルク徴候は、患者に親指以外の4本の指を曲げさせ、指に同じく4本の指で引っかることで患者と検者とで引っ張り合うことで親指が内転するかを調べる検査です。
      陽性の場合は、脊髄損傷の可能性があります。

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