後遺障害素因減額

素因減額は、交通事故によって後遺障害を負った被害者に既存障害があった場合、素因が損害の発生や拡大の影響していたとして、損害賠償額を減額するという考え方をいいます。

 

この素因減額の趣旨としては、被害者の既存の症状と交通事故の影響の双方が原因となって障害が発生した場合は、加害者に全てを負担させるのは不公平であるとする点に求められます。
よって、素因減額について最高裁判所は、心因的素因・身体的素因を問わず、民法722条2項(過失相殺)を類推適用して、損害額を減額できるとの結論を下しています。
疾患とは解せない身体的特徴に留まる場合は、過失相殺の類推適用はできないと言えます。被害者の疾患、心因的素因が損害の発生或いは拡大に寄与したといえる場合は賠償額が減額されると言えますが、被害者の肉体的な要因が介在している場合は、疾患に当たるか、損害の発生・拡大に寄与したといえるかといった検討が求められます。
過去の判例を精査すると、個別的事案の性質等を総合判断して、減額を認めるべき事案では素因と結論付け、一方、減額を認めるべきでないときは身体的特徴としているように思えます。

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